「じゃ俺にも許可しろ!」
「拓海? もう酔っちゃった?」
私はザーサイと青菜の油炒めを
小皿に取り拓海の前に置く。
「まだ酔ってないよ」と直ぐに拓海から返って来た
私達はまだキス以外の事はしていない。
と、言うかお互い忙しくて
そんな状況にならなかった
と言ったほうが良いのかもしれない。
拓海は日が変わる前に帰って来ても
仕事を持ち帰ることが多く
私も秘書検定の勉強をしている。
「俺が許可しても
ミーがさせてくれるかねー?」と笑って言う兄。
そして「ミー?」と、拓海は私の顔を見る。
「結婚する迄ダメ!」
「じゃ!直ぐ結婚しよ?」
「何言ってるの?
私も部署が変わったばかりだし、
拓海も研修期間の終る来年の春までは
延ばそうって相談して決めたでしょ?」
拓海はがっくりと肩を落としていた。
それを見てお兄ちゃんは
「ご愁傷さま」と楽しそうに笑っている。

