「もういいわよ!」
寝ちゃってた私もいけないんだから…
「それよりなんでお兄ちゃんが居るのよ!?」
お風呂から出てくるとなぜだか
お兄ちゃんがダイニングの椅子に座っていた。
「今日、珠実居ないんだ。
だからご飯食べさせて?
久々にミーちゃんのご飯食べたら
恋しくなちゃった?」
猫なで声で頼む兄。
「私のご飯っていつ食べたの?」
拓海は空になったお弁当箱を
顔の高さまであげる。
「ミーが作ってくれたって言ったら
蓮に食べられた…」
「で、拓海は?」
「店にあった買い置きのカップ麺食べた」
もう… お兄ちゃんたら…
どれだけ周りに迷惑けてるのよ!?
まるで悪ガキだわ!
「お兄ちゃんに食べされる
ご飯は有りません!」
「そんな冷たい事言うなよ?」
もう…
私は仕方なくお兄ちゃんの分も用意してあげた。
「おー筑前煮じゃん!
ミーの煮物は母さんの味なんだよな?
うん旨い!
あれ俺のにはウズラが入ってない…」
私の筑前煮にはウズラのゆで卵を入れる。
「入ってるでしょ?
下の方にあるんじゃないの?」
兄は「ウズラ!ウズラ!」と
箸で筑前煮の中を引っかき回し
ウズラのゆで卵を探している。
ガキか!?

