「あの…ちょっと待って下さい!

急に言われても…

私、拓海さんとの約束忘れていて…

結婚だとか言われても困ります。

まだ社会人になったばかりで

仕事もまだ出来ない半人前なのに結婚だなんて…

それに…」


「それに?」

拓海が心配そうに聞く。


「拓海は私の事が好きで結婚するの?

違うんじゃない?

約束だからじゃない?

子供の頃のそんな約束で

結婚を決めたりしちゃダメだよ?

拓海は10年間の私を何も知らないでしょ?

私だって拓海の事何も知らないもの…

それに会社の事だって

私と結婚出来るなら継ぐとか

そんなの社員に失礼だよ?

じゃ私と結婚出来なかったらどうするの?

継がないの?

そんないい加減なトップに、

人は付いて行かないよ?

結婚と会社を継ぐことは別で考えなきゃダメ!

Cougerの何万人もの社員の人生を

背おう気が無いなら考え直して!!」