ううん私はタク兄が好きだった…


『大きくなったらタク兄のお嫁さんにしてくれる?』

『いい女になったらな?』

『うん! 絶対いい女になるから約束だよ!』

『10年経ってミーがいい女になっていたら

迎えに来るよ!

その時は俺がミーの髪を切ってやる』

と約束してくれた。

それから兄は美容室で働きながら美容学校に通い、

ほとんど遊んでる暇も無かった。

美容学校を卒業すると家を出て一人暮らしを始めた。

だからタク兄とはあれ以来あって居なかったし

私もすっかり忘れていた。


「でも… あの時は私、子供だったし… 

それに拓海がCougerの御曹司だって

知らなかったから…

Cougerの御曹司ならそれ相応の人と

結婚した方が良いと思うよ?」


「俺はミーを嫁にする!

蓮とも約束してるからな!」


なんでお兄ちゃんと約束?


「未來さん?

拓海はひとり息子で

私の後継者なんだ。

だから小さい頃から跡継ぎとして育てて来た。

だから大学も一流の大学へ進む筈だったんだよ。

でもね拓海にはそれが窮屈だったみたいで

高校を卒業して美容学校へ進むと言った時は驚いたよ。

会社も継がないと言うしね…

でもここに来て

会社を継いでくれると言ってくれたんだよ

未來さんと結婚させてくれるなら!と…」