拓海は運転席に乗ると

エンジンを掛け直ぐに発進させた。

私はサイドミラー越しに彼女を見ると

彼女は悔しそうにいつ迄も車を見送っていた。

まるで私を睨みつけるように…


「拓海…」


「ごめん。嫌な思いさせたな?」


「良いのあんな言い方して?

相手は大事なお客様でしょ?」


「俺を金で思い通りに出来ると思ってる勘違い女は

客でも何でもないよ!

それより今日はミーの就職祝いするから付き合え」


「就職祝い?

そんなのいいよ!

拓海が私に就職祝いなんておかしいよ?

それより仕事に戻って?」


「仕事は蓮に任せてるから俺は良いの!」


はぁ?

お兄ちゃんに任せてるって拓海はどんな立場よ?

お兄ちゃんと同じ様に雇われてるんじゃないの?

お兄ちゃんもだけど

この人達何考えてるのか全然分かんない。