拾ったワンコは御曹司!?…


「ぎゃっー!!しっ死体!!誰かー!!」


大きな叫び声に起こされた。

ずっと箱の中で体が固まっていて、

珠実に言われた、

可愛く鳴く事などすっかり忘れて

体を伸ばした。


「んー 煩いなぁ」


「生きてる…」と未來の発した言葉に


普通に答えていた。


「当たり前だろ?」


未來、綺麗になったな?

やっぱり俺の事覚えてないか…


「なっ何で人の家の前に居るのよ! 

それもこんな箱に入って!?

警察呼ぶわよ!?」


あっいや、警察は、マズい…

どうしよう?… 

蓮、どうすれば良い?…

あっ俺は捨てられたワンコだ!


「俺、捨てられたから、おまえ拾って?」


蓮に首に掛けられたプレートを見せる。


「はぁ!?意味分かんない!!」


未來の顔が、

俺に対する不審感と、怯えの困惑顔が

見る見るうちに怒りの顔に変わって行った。


大丈夫か…

蓮、後は頼んたぞ?…