式場のスタッフに声を掛けられ

チャペルへと移動する。

私、兄の腕に手を置き

チャペルの大きなドアの前に立つ。


「ミー綺麗だよ」


「ありがとう」


「拓海は良い奴だ信じて付いていけ」


「うん…」


「お袋の事は心配しなくていいから

拓海の両親を大切にしろ」


「う…うん…お兄…ちゃん…ありがとう…」


「こら、泣くな。化粧がおちるだろ?」


お兄ちゃんは私の涙を

優しくハンカチで抑えてくれる。


「さぁ拓海が待ってるぞ? 行こう!」


チャペルのドアが開き 

パイプオルガンの音のなか

兄のエスコートで拓海の元へ

一歩一歩進んで行く。

拓海の元へ着くと

お兄ちゃんは私の手を拓海へ託す。


「拓海、未來を頼んだぞ!」


「ああ、蓮の大事な妹だ必ず幸せにする」


そして参列してくれた人達の前で

私達は愛を誓う。


「未來、旬を産んでくれてありがとう。

3人で幸せになろうな?」


拓海は誓いのキスをしてくれた。


「3人だけ?

もうひとりくらい欲しいなー」と私が言うと


拓海は「じゃー今から作ろ!」と言う。


えっ!? まさか今から?…


そして拓海は


「皆さん! 後はご自由に楽しんで下さい!」と言って

私を抱き抱えてチャペルを後にした。

旬、ごめんね?

もう少し待っててね?