見えちゃうけど、好きでいて

「はたから見りゃ、異常者だよ。またあれか?変なもんでも見えたか?」

警官のいうことに、小さくうなずいた。

警官は、はぁぁと大きなため息をつくと「その能力は、隠しておけと何度もいってるだろう?だからここへ連れてこられるんだ」と女の肩をたたいた。

「でも、私にはどうしようもなくて…」

「ヘッドホンはどうした?」

「今日は、忘れちゃって……ちょっと出かけるだけだから、いいかと思って…」

「浦賀。浦賀、浦賀季衣」

警官は女を諭すように、何度も名前を呼んだ。

「……今は、いるか?」

その言葉にあたりを見回し、首を横に振った。