京香に連れられ、高級レストランに入った季衣は、入り口から気が落ち込んでいた。

「なに?」

「あ、あそこのウエイターさんの隣に……」

「うそでしょ」

肩をあげながら、京香を見る。

「大丈夫。気づかれなきゃ、話しかけてこないんでしょ?」

「そうだけど……」

「急いで店に入るよ」

季衣の手を引き店の奥へと入っていった。