大きくため息をついて、鏡のほうを見ると、鏡の中に先ほど隣のフィッティングルームにいた女性が映り込んできた。 「きゃー!!」 思わず大声をあげてしまった。 「お客様、どうかされましたか?」 腰を抜かしてしまった季衣は「だ、大丈夫です。ちょっと驚いただけで……」とごまかした。