見えちゃうけど、好きでいて

「こちらでお預かりしておきます」
店員が手を差し出し、ヘッドホンを受け取ってくれた。
「すみません……」
恐縮そうにわたしながら、フィッティングルームのドアを開けた。
「ひぃっ！！」
突然の悲鳴に、ヘッドホンを受け取った店員は驚いていた。
季衣の目の前に現れたのは、白いワンピースを着ている女性の姿だった。