見えちゃうけど、好きでいて

「浦賀さん?大丈夫?」
季衣はヘッドホンをテーブルに置きながら、時恵の隣を見た。
「あ…」
その声に、時恵も誰も座っていない隣を見た。
「どうしたの?」
「どこ行っちゃったの……」
あたりを見回しながらぼそっとつぶやいた。