見えちゃうけど、好きでいて

「これは、亡くなったあの子の……」
季衣はそれがすぐに、彼女の遺骨だとわかった。
「それがあるから、この人はここから離れられないんだ……」
「納骨の時には、きちんと収めようかとは思っているんですけど……突然の娘との別れにどうにも……」
『そうやって、泣けばなんでも許されると思っているんでしょう』
呆れた顔で、娘は時恵を見ている。
『レニを返して!!!』
季衣は耳をふさいだ。