見えちゃうけど、好きでいて

時恵は、微笑むと季衣の手を取り歩き出した。
「あの……菅沼様……」
「よしてよ。そんな言い方。名前で呼んでくれて結構よ」
恐縮しながら、季衣は「時恵…さん……は、驚かないんですか?」と質問した。
「何を?」
「私が……その……」
「幽霊が見えること?」
季衣は今にも泣きそうな顔でうなずいた。