見えちゃうけど、好きでいて

着替えを終え、デパートを出るとそこに時恵が立っていた。
「あ……」
その声に振り返った時恵は「あら」と言って季衣の足元からなめるように見た。
静かにお辞儀をして時恵の前に立った。
「随分と雰囲気が変わるのね。街で会ったらわからないわね」
時恵は、先ほどとは違って、穏やかな表情をしている。