見えちゃうけど、好きでいて

「半休にしてあげるから、ちゃんと向き合って来たら?」
「で、でも……」
「怖くても、あんたにしか出来ないことをやるの」
そう言って、社長は季衣を立たせた。
「違う、店長が……」
「あの人のことは気にしないで。私のことが怖くて仕方ないから」
くすっと笑って見せた社長は、休憩室を出て行った。