見えちゃうけど、好きでいて

季衣は「その方は、お孫さん、ですか?」と続けて質問した。
「いえ。娘です」
納得したようにうなずいた季衣は「娘さん…ですか…」とつぶやいた。
『許さない』
「ひぃっ!……あ、あ、あの……」
時恵は、季衣の言動にだんだん不振を抱き始めていた。
「なにかしら」
「む、娘さんの大切なものを、おもちじゃないですか?」