見えちゃうけど、好きでいて

「よろしく頼むわね、えっと?う、ら、がさん?」
「はい、よ、よろしくお願いします」
季衣は、時恵の後ろにいる青白い顔の人物が気になって仕方なかった。
「今日は、お昼にお友達とランチに行くの、だから華やかな明るいシャドーがいいと思うのよね」
「はい。それでしたら、こちらの新色のアイシャドーはいかがでしょうか」
時恵は、季衣が進めたピンクの明るいアイシャドーを覗き込んだ。