パパはどこかへ行ったのか、病室にいなかった。



それが不安になって、病室を出ると薄暗い廊下を私は静かに歩きだす。


ヒタヒタと少し歩いた先に、自販機が見えた私は喉が渇いてた事に気付いた。


…お財布、持って来れば良かったな。






そう思いながらも自販機に近付くと、そこに人がいる事が分かった。



「………?」




自販機がある所は、天窓が広くて空が見えるような構図になっている。そこをずっと見上げる人が独り…。





同じ年ぐらいなのかな?









その背中をじっと見つめていたら、フイにその人が私の視線を感じたみたいでこちらを振り返った。












その人は、私のよく知ってる人だった。