「…女医を呼んできましょう」




そう言って、新堂先生は私たちの前から立ち去った。


先生の姿が見えなくなって、ようやく私は体の力を抜く事が出来た。




溜め息を吐いて、パパの顔を見上げようとするけど、逆に強く抱き締められてしまった。




「………………」



パパの息遣いだけが、私の耳に届く。苦しそうで、悲しそうで…。


「…何も、言うな…」



何度も呟くのはその言葉だけ。




私もパパのその言葉に、涙が込み上げてきた。



無口で、スキンシップの苦手なパパが少しだけ苦手だったけど、…今は…好き…。



大事にされていたって分かっているけど、今日はそれが一番感じた。




…そうこうしていると、黒人の女医が少し慌て気味に私たちの所に現れた。






私の体のあちこちを検査してくれた結果、一週間の怪我だと分かった。