「……パパ…」
「何も言わなくてイイ」
何を言えばいいのか分からなかった。
だから、パパの言葉が嬉しくて、目の前に広がる白いシャツに私は顔を埋めた。
「…もう、検査は終わったのですか?」
「いや、少し待たされている」
「…………なら、私が見ましょうか?」
その言葉に私は一瞬、戸惑った。前に、見てもらったと思うんだけど…その時の私は意識がなかった訳で…。
そう思うと、体中の血が逆流して行くように、息が乱れだした。
苦しくて、苦しくて頭の中はパニックになっている。
「都? ッおい!!」
「……恐い…。やだ…」
私は、パパにしがみつくだけ…。訳の分からない恐怖が込み上げてきて、それをパパにしがみつく事で助かるんじゃないかと思っている私。

