冷たい床に転がったケントの胸ぐらを掴んだパパは、そのまま彼を引きずってリビングを出て行った。
玄関から、すごい音が聞こえてきたと思うとすぐにパパが戻ってきた。
「都!!」
「パ…パパぁ…!」
まだ床にいる私を抱き起こしてくれた。…けど、相当恐怖にだったのか…、私の手は真っ白になるぐらい握り締められていた。
「…ヒドいな…。血が出てるじゃないか…。都、病院へ行くぞ」
殴られた頬を撫でてくれたパパは、そのまま私を抱き上げて家を飛び出した。
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全てを話し終えた私に、パパは何とも言えない顔をしていた。
怒りと悲しみ、そんな感情が入り交じった顔。

