「ふー………疲れねぇな」


ため息を吐いた一鬼の目の前には、多数のコンピューター……。
近年地獄では仕事が減り続けている。というのも、急速な機械化のせいである。

昔はもう少しまともな仕事があったのだが、近頃の一鬼の仕事といえば亡者がサボっていないかかつを入れる程度。
――ハッキリ言って、暇だ。


別に仕事をしなくても食べる物には困らないし(鬼たちは基本的に何も食べない)、事実それを理由に辞めていった鬼たちは沢山いるから世間体というものを気にする必要もない。



一鬼が仕事を続ける理由は、それを辞めれば暇だからにすぎない。
勿論、今も暇だ。しかし唯一の暇潰しになるこの仕事までなくなればいよいよすることがなくなる。



(いっそこの機械全部ぶち壊すか………)



とりあえず近くにあった棒をもてあそぶ。

その時、尻ポケットに入れていた携帯電話が鳴った。




~~~~♪



「……何だよ」

『カズちゃん、今すぐ帰ってきて』



女の声が響くのを聞き、一鬼は舌打ちした。