……改めて説明しよう。
ニートと思われた男は名を恵魔(えま)と言い、先程本人が言った通り閻魔大王である。

と言っても今年なったばかりの新米。しかしこう見えてなかなかエリートで周囲からの期待も大きい。


微妙に伸びた黒髪と寝癖、それからやる気なく緩い空気と洋服。外見ははっきり言ってニートだ。
年齢は20代に見えるが、中身は200才を越える。



また、和成(かずなり)というのは閻魔大王の側近であり、早い話が恵魔に仕事をさせるための世話係だ。
童顔な高校生という出で立ちではあるが、れっきとした150才。まああの世の者であるからそういうものだろう。



「恵魔様、ですから仕事を……」

「後でね」

「ねって…!!どうするんですかあの亡者!!!」

「後でぱぱっと裁くって」

「何するか知りませんけど、今いる分は裁いてからにしてください!!!」

「………はーい」



恵魔は渋々といった風に頷いた。