早く食べなきゃ…!
「陽葵…ちゃんと噛まないと喉に詰まるよ。」
「…う、ごほっ!ごほっごほっ。」
「ほら、今言ったばかりじゃないのー。そんなに急がなくたって時間はあるから…」
「で、でもぉ…」
あたしは大好きな大好きな昼休みの時間を充実させるために、お弁当を急いで食べる。
早く食べるために、最近は味わって食べることも少なくなってしまってる…
ママ、ごめんね。
でも…あたしの幸せのためだもん。
だから、許してくれるよね。
「じゃあ、茉由ちゃん!行ってくるね。」
「転ばないようにね!」
茉由ちゃんってば…お母さんじゃないんだから。
さっきからあたしのママよりも、お母さんらしい言葉をあたしに言ってくる。
あたしってそんなに子供なのかなー?
…って、そんなこと考えてる場合じゃないんだって!
あたしは、……
瞬くんに会うために、屋上に急がなきゃならないんだから。