冷たいあたしの王子様





「屋上にはもう行けないよぉー。優雅くんもいるだろうし、なんか変な言い訳もしちゃったし。」




〝 いや!あの、大丈夫…なんで、えっと…あたしは何でもないというか、散歩?そう!散歩してただけなんで、はい。では、失礼します!〟



あれは無理やりすぎるというか、どう考えても馬鹿としか言いようがないっていうか…




「竹内優雅に会ってしまったってことは、全部瞬くんに流れていってるわけだしね。ドアの前にいたことも、変な言い訳も。だからもう開き直るしかないよ。とにかく、決意が固まってるうちに告白するんだよ!」




あ…そうじゃん。



もう瞬くんには全部知られててもおかしくないのか。




キーンコーンカーンコーン




「陽葵、5限目移動教室だよ。」



「あ、そうだった!」




…決意が固まってるうちに、か。



確かに今しか告白は出来ない気がする。