冷たいあたしの王子様





「…………ってなって、走って帰ってきたということです。」



「へぇー、吉永って…あの堀川瞬のことが好きだったんだな。」



「あ、健太!まだいたの!?ちょっと…もう!今日一緒に帰ってあげるから、とりあえず自分のクラスに戻って!」



「なんだよそれー。まぁいいや。また放課後な!」




あたしも健太くんがいたことなんて忘れてた…



それにしても茉由ちゃん、健太くんの扱いがひどすぎる、でも健太くんはいつも通りって感じだから…いつもこんな感じなのかな、?



ってそれよりも、あたしは健太くんに、瞬くんのことが好きだってことがバレた上に、告白をしようとしてることさえもバレたってこと?



あー…なんか辛い。



色んなことが積み重なってて…ちょっと辛い。




「ごめんね、健太はあぁ見えても口は堅いから!ってか、告白は?どうすんのよ。」




健太くん、チャラチャラしてる見た目だし…ほんとに口堅いのかなー?



彼女の茉由ちゃんが言うくらいだから本当なんだと思うけど……って、そんなこと考えてる場合じゃないんだ。