冷たいあたしの王子様




倉田のやつ、ほんとに一部分しか聞かずにそれをいいように陽葵に伝えやがって…



今すぐにでも弁解がしたい、…絶対に出来ないだろうけど。



って、それにしても俺…なんでこんなに陽葵のことばっか考えてんだよ。



俺は、俺はもう女なんて、…どうせ女なんて皆同じなんだからよ。



あいつだって…陽葵だって、俺の外見しか見てねーし、俺のことなんか何も知らないだろ。



今日、屋上に来なかったのだって、別にもう屋上に来るのに飽きたんだろ。



毎日外で弁当食べるのも疲れたし、そろそろ中で食べたくなったんだろ。



なんだっけ…陽葵といつも一緒にいる山口茉由ってやつと昼も一緒にいたくなったんだろ。



来たくなったら、また来るだろ…



はぁ…俺。まじで馬鹿みてぇ。



なんでこんなに自分に言い聞かせてんだよ。