冷たいあたしの王子様




『あの時はほんとにびっくりしたな〜。あの瞬が、肩に少し付くくらいのボブでこげ茶色の髪の毛で身長は156くらいで色が白くて目がぱっちりとして二重でまつげが長くて全体的にふわふわしてるやつ誰かわかるか?っていきなり早口で言ってくるんだから。』



『……そんな詳しくは聞いてねーよ。』



『入学式の日から陽葵ちゃんは人気があったし聞いたことはあったから、すぐピンと来たけど、まさかお前がな〜。』



『うるせ。』




…そんな会話。



この会話全てを聞いてたら、誰もあんな解釈しないだろ。



優雅との会話を思い出しながら歩いてたら、もうあっという間に屋上に着いた。



いつもコンビニで買うコーヒー牛乳が無くて、仕方なく自動販売機まで買いに行った俺。



いつもは昼休みが始まってすぐに来る陽葵が今日は10分経っても来ないななんて思ってたけど…あんなことになってたとはな。