冷たいあたしの王子様





「分からないなら教えてあげる。」




うそ…っ。



瞬くんは優しいからそんなこと言うはずないもん…、




「屋上で寝たいのに、隣のクラスの女の子…つまりあなたが来るから眠れないって。迷惑だって意味よ。」




そう…だよね。



よく考えてみればそうだよね。



あたし…なに自分で少しでも仲良くなれて、瞬くんに近付けたなんて思ってたんだろ…



そりゃそうだよね。



あたしが毎日来るようになる前はあそこで寝ていたわけだし、でも最近はベンチに寝転ぶどころか座ってる。



いや…元々は座るものなんだけど。



あたし、お弁当の中身を瞬くんに取られたり、夏休み中にバス停まで一緒に帰れたり、瞬くんと普通に友達になれたんだって勝手に思ってただけだったんだ…