……そんなふうに、あたしと瞬くんは出会ったの。
「思うんだけど、陽葵は堀川瞬のことを王子様っていうじゃない?あれはどう考えても王子様の顔をした悪魔だよ、」
「悪魔なんかじゃないー!!」
またそうやって…
茉由ちゃんと同じように、冷たい瞬くんのことを悪魔だとか、黒王子だとかそんなふうに言うんだ。
悪魔や黒王子を悪く言うわけじゃないけれど、瞬くんは性格悪くなんてないんだよ?
あたしを体育館まで連れて行ってくれて…
それもわざわざ声をかけてくれたんだよ?
ただ性格が悪くって冷たいだけの人だったら、そんなことしないはずだもんっ!
「瞬くんは、ほんとはすっごくすごく優しいんだって!みんな、それをまだ知らないだけだよ。」
「そう…、まぁあたしは陽葵を応援するけどね。ただあたしは陽葵が心配なだけよ。誰にでもひょこひょこ付いていきそうなんだから。」
え、それって、どういう意味よー!
まさか、茉由ちゃん…馬鹿にしてるの?

