「茉由ちゃーん!!!会いたかった!」
「お、おっと…、陽葵ってばもう。あたしも会いたかったよ。」
夏休みが明けて、今日からまた学校が始まる。
夏休みなんて、宿題に追われてるか家でゴロゴロしてるかの繰り返しで。
早く終わって欲しくて、終わった今…とっても気分がいいんだ。
夏休みが終わって嬉しい理由は他にもあるんだけどね?
「陽葵は変わらないね。いつも朝はそこに立ってるんだから。」
いつものように正門が見える窓の前に立っているあたしの横に、茉由ちゃんが来て立つ。
だって、瞬くんの登校する姿を見ないと、あたしの1日は始まらないんだもん。
「当たり前じゃんっ!…あ!瞬くん来たぁー!今日も、カッコイイ…」
「そんな遠くからでよく見えるわね。」
「だって、好きだもーん!」
あたし達の教室は3階で、正門からはお世辞でも近いとは言えない。
でも、瞬くんに恋をしているからかな?
どんなに遠くたって、瞬くんってすぐに分かるし、よく見えるちゃうんだ。