1度、瞬くんの気分になってここで寝てみたい。



いつも瞬くんはここにいるし、無理なんだけどね。




「いただきます。」




いつものように読書をしている瞬くんを隣に、あたしはお弁当を食べる。



1回、お弁当を瞬くんにあげようとしたんだ。



でもメロンパンとコーヒー牛乳で十分らしくて、即答で「いい。」って言われた。



この屋上に来るようになってから、もう2週間くらい経つし…たくさん瞬くんと喋っているけど。



やっぱり、まだまだ瞬くんは冷たい。



でもその冷たい言葉の中にはちゃんと温かみがあるってあたしは知ってる。



それに、あたしに少し慣れてくれたのかな?




「あー!ちょっと、それ、!あたしの卵焼き…」



「うまい。」



「……え、本当に!?」



「なんだよ。」



「それ…その卵焼き、あたしが作ったの!最近、料理を勉強し始めてて…本当に美味しい?!」



「あ、あぁ。」



「よかったぁー!瞬くんに取られた瞬間、まずかったらどうしよって焦ったんだから。」