「王子様って……たかが、道案内してくれただけでしょうが。」
「道案内してくれるだけでも優しいじゃない?それに、あの顔といったら……あんなイケメン、芸能人にもいないよ!それに加えて、成績優秀でスポーツ万能…これこそ完璧!」
「あーあ、また始まっちゃった。陽葵の瞬くん語り……」
茉由ちゃんにどうこう言われたって構わないもん!
だって、あたしにとって瞬くんはもう王子様という存在になっちゃってるんだ。
なぜそんなに王子様なのかって…?
それはもちろん容姿もなんだけれど…他にもあるんだ、それはね…?
ーーーーー…
約一ヶ月前の入学式の日。
あー、もう。
あ、あの建物見たことある…
あ、あれも!確か、受験の時に、あの建物で受験をしたような気が…