冷たいあたしの王子様




嬉しい…嬉しすぎるよ!




「いや別に、屋上って俺の物じゃねーし。」



「た…確かに。で、でも、ここに来て瞬くんと話してもいいってことだよね?」



「俺は寝てるから。」



「それか、本を読むんだよね!いいよ、あたし瞬くんの隣に座ってるだけでも楽しいし!」




…って、あたし、告白に近いこと言っちゃってる?



これじゃ、瞬くんに〝 好き 〟って言ってるようなものだよね?



今更気付いて、恥ずかしくなってしまい…あたしの顔は今とても真っ赤だと思う。




「あ…その、そんな、意味はないからっ、その…うん、」




一生懸命、急いでさっきの言葉を撤回しようとするけれど。



言ってしまった言葉はしょうがないもので…



でも、瞬くんはさっきと変わらない様子で。



ずっと本を読んだままで、さっきと表情は何も変わってない。