冷たいあたしの王子様




「別に。」



「…いつも!いつも、ここで寝てるの?」




やっぱり、瞬くんとどうしてもたくさんお話をしたくて。



必死に瞬くんに話し掛ける。




「あぁ。」



「ここ気持ちよさそうだよねー。暖かいし、日も直接当たらないし!」




物置の横にあるベンチだから、壁もあるし少しだけ屋根もある。



だから、日が直接当たるわけじゃないけれど、とっても暖かくてポカポカしてる。




「うん。」



「あ、あたし、吉永陽葵!覚えてるかな…入学式の時に体育館まで連れて行ってもらった…」



「覚えてる。」




あたしの言葉に即答してくれた瞬くんに、やっぱりドキドキしてしまう。



そして、あたしはいつの間にか、さっきまで瞬くんが寝ていたベンチに瞬くんと腰掛けている。