僕と道化(ピエロ)と君の恋

 そして『僕』の肩に頭をもたげる。

 「葵ちゃん?」

 「……しだけ、少しだけこのままで……」

 掠れた声で葵ちゃんは言った。

 『僕』は声には出さず、葵ちゃんの肩に手を置いて頷く事で了解した。

 葵ちゃんは声は出さずに肩を震わせていたが、やがてもたげた顔を上げた。

 「ごめんなさい、もう大丈夫」

 葵ちゃんは笑顔でそう言ったが、涙の足跡が化粧をした顔に幾つも道を作っていた。