僕と道化(ピエロ)と君の恋

 「いや、何でもないよ『葵ちゃん』」

 葵ちゃんの開いた胸元から、豊な白い胸が僅かに覗いていた。

 だが、それはもう『僕』に女を感じさせなかった。

 「『葵ちゃん』?」

 「綺麗になったね。あんなに小さかったのに……」

 葵ちゃんは目を瞬かせて言った。

 「覚えてて……くれたんですか?」

 「忘れるわけないよ、凄く綺麗になってたし、苗字も……」

 葵ちゃんの大きな目から涙が零れた。