「今夜、歓迎会やるらしいから、少し出て話してみたら?」

 「あ……ごめんね、赤はもうないんだ。代わりに青をあげる、赤より青の方がカッコイイよ」

 男の子は青い風船を小さな手に握りしめて、母親らしき女性の方へ走って行った。

 「ママー。赤より青の方がカッコイイ?」

 「うん、カッコイイわよ。よかったねー」

 母親は僕に会釈をし、子供の手を取って『古今東西ホラーお化け屋敷』の方へ歩いて行った。