『あら?珍しいね、本気で腹立てるなんて』

 「まあね、マコトも珍しいね?」

 『何が?』

 「じゃあ、赤い風船ね。僕の鼻と同じ色」

 赤い風船を子供に渡しながら心の中で答える。

 「マコトが女の子に興味を持つ事がさ」

 『興味ってゆうか、ただ面白いなって……』

 「そうゆうのを興味って言うんじゃない?」

 『そ、そんな事……』

 珍しく『僕』が動揺していた。