僕と道化(ピエロ)と君の恋

 「じゃあ園内の施設を案内しますから、ついて来て下さい。えと……華崎さん、日之輪さん」

 『はい!』

 異口同音に答える二人を従えて僕は事務所を出た。

 事務所の建物を出て、すぐに入出ゲートがある。

 「ここが……まあ見た通り、ゲート。二人ともチケット売り場担当なはずだから、ここが主な勤務場所……」

 振り返った僕はある事に気がついた。

 「だよ。って……あれ?日之輪さんは?」

 立っていたのは華崎さん一人だったのだ。