僕と道化(ピエロ)と君の恋

 結局一回りしてもアユの表情は微塵も変化しなかった。

 「はあ……やっぱり無理か――」

 「そんな事で顔に出したりしないよ」

 こうなったら覚悟を決めるしかない、僕は両手で自分の頬を強く打ち気合いを入れる。

 軽快な音がして頬が熱くなった。

 「十月!十三日!」

 根拠などあるはずもない。

 だが意味はあった。

 僕とアユが初めて話した日。

 あの時の僕はまさかアユとこんな事になるなんて、想像だにしていなかった。