「まあ引きこもりから多少踏み出しただけでもいいとしよ」

 アユがそう結論づけ、僕らは再び作業に取り掛かった。

 「そうだね、さっさと荷解き終わらせて引越し蕎麦食べなきゃ」

 荷解きが終わり次第、アユとニチカの家族を呼んで、一緒にご飯を食べる事になっていた。

 「ごめんね、なんか家族まで押しかけちゃって」

 「何言ってるんだよ。今日からアユの家でもあるんだから、全然気にしなくていいよ」