僕と道化(ピエロ)と君の恋

 「私も主人格は今、中にいる方。まあ私達も色々あって表には殆ど私が居ます、代わるのは大体……」

 少し考えるように空を仰ぎ、日之輪さんは続ける。

 「大事な仕事の時とかですね」

 僕は平静を装ってはいたが、内心穏やかではなかった。それは、どうやらマコトも同じ様で先程から食い入る様に日之輪さんの話しに集中している。

 「じゃあやっぱり、さっきの仕事場での日之輪さんと、歓迎会の時の日之輪さんは……」