僕と道化(ピエロ)と君の恋

 「無理じゃないんだけど……」

 「え……じゃ、じゃあ付き合ってもらえるんですか!?」

 日之輪さんは腰を浮かして身を乗り出した。

 「あっ、いや、うん……それはそうなんだけど」

 「やったー!」

 日之輪さんの声で店中の、決して少なくない視線が僕らに注がれた。

 『早く言わなきゃ!』

 「あ、あの、日之輪さん……落ち着いて、付き合う前に話しておかなきゃいけない事があるから」