「はい、じゃあすいませんけどお願いします」

 そう聞こえてから、間を置かずに日之輪さんが出て来た。

 「お待たせしました。ここじゃなんですから、外行きましょう」

 それは歓迎会で見た日之輪さんだった。

 毅然としていて、いかにもやり手といった印象で、どうにも昨日の日之輪さんとは結び付かなかった。

 仕事となると変わるのか?

 前を歩く日之輪さんの背中を見ながら考える。

 「すいません、先にお手洗い行っても構いませんか?」