僕と道化(ピエロ)と君の恋

 靴が脱げたのに気付いて無かったのか?

 「ああ、そこの門の前にありますよ」

 ツッコミたい衝動を抑えながら指を指して教えた。

 「あ!あれです!どうもありがとうございます!」

 「どう致しまして。じゃあ僕は急ぐんで……」

 「あっ、はい。引き止めてすみません」

 僕がゆっくりと発進すると、女の子は深々と頭を下げた。

 と、同時に何とも表現しがたい激しい音がして僕は振り向いた。