「彩音!おはよう。」

「徹。おはよう。」

徹とは一緒に学校へ行くのが小学校から当たり前の光景。

「彩音、今日早いじゃん。寝坊しなかったんだ?」

「たまには、ね。」

手なんか繋いだことはない。
でも、友人よりは近い距離。
私達の距離はおよそ10cm。

この関係が、いつしか物足りなくなってた。
もっと近くなりたくなった。



この10cmが、遠く感じるようになった……。