「こんな太いヤツから、『高砂腐乱事件』を見付けるとか...めんどいわ」

けれど、ここまで来たのだからやるしかない。

私はその場で、1ページずつ本をめくった。

___2時間程だろうか。

私はやっと、「高砂腐乱事件」の記事を見つけた。


『2002年11月14日、事件は起きた。

なんと新座町駅のホームの下で、当時58歳の男性の腐乱死体が発見されたのだ。

近くの防犯カメラには、駆け足で走り去る複数人の少女が映っており、ホームにも身元不明の少女の指紋が残っていた。

この事件は高砂腐乱事件と呼ばれ、未だ詳しいことは分かっていない。』

「っ〜〜〜〜〜〜〜!そんなことは知ってるってば!」

あたしは焦れったさを感じながら、ページを開いた。

「...ん?」


『高砂腐乱事件の謎を明かす!』

「えっ嘘何これっ!?」

ここに、謎を明かす手がかりがあるかもしれない......。

あたしはワクワクしながらページを開く。

『高砂 浩文は、線路の下で暮らしていた!?

・・・捜査によると、高砂氏は三十年ほど前から地上に出てきていないらしい。

そのことは、地元の人の証言から分かる。新座町駅付近に住む住人は、高砂氏のことはしばらく見ていないと証言している。


そして、高砂氏の家の庭には草が生えまくり、 手入れが行き届いていない。

ゴミなども出していないことから、帰っていないことが伺える。』