「戻りたい...とは、思えないなあ」
ポソ、と独り言。
きっと、ここから大きな声を出せば、私はすぐに助かるだろう。
でも、何故かここにいたかった。
懐かしかった。
ほんのり匂うゴミの香りとか、線路の石にべチョリと付着した鳩の糞とか。
全てが、全てが愛おしかった。
******
お腹がすいた。グウウゥ、とお腹がなった。
私は、さっき女子高生が捨てたオレンジジュースの缶を振って、飲んだ。
ほとんど残っていなかった。
私は、それをしゃぶり始めた。チュパチュパという音が、ホームにひとり響く。
そのハーモニーが、気持ちよくて。
1人で鼻歌を歌っていた。
そして、ぽろりと口から零れたのだ。
「ただいま」
ポソ、と独り言。
きっと、ここから大きな声を出せば、私はすぐに助かるだろう。
でも、何故かここにいたかった。
懐かしかった。
ほんのり匂うゴミの香りとか、線路の石にべチョリと付着した鳩の糞とか。
全てが、全てが愛おしかった。
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お腹がすいた。グウウゥ、とお腹がなった。
私は、さっき女子高生が捨てたオレンジジュースの缶を振って、飲んだ。
ほとんど残っていなかった。
私は、それをしゃぶり始めた。チュパチュパという音が、ホームにひとり響く。
そのハーモニーが、気持ちよくて。
1人で鼻歌を歌っていた。
そして、ぽろりと口から零れたのだ。
「ただいま」



